2012年03月24日

追憶の昭和めぐり

かつてそこにあった、いまは自然に帰りつつある風景
そこに封印された懐かしい思い出を訪ね歩く
と銘打った 『篠山歴史「追憶の昭和」めぐり』 のホスト側として
篠山市内に残る昭和の名残を経巡った。

今朝の天気は、といえば大雨!
参加者は19人、欠席者もなく雨天のなかバスをスタート。
最初の訪問地となる「鐘が坂隧道」へ。

西方に走り出すと、雨が上がり国道筋に出たころには、なんと!陽射が・・・。
以後、雨と晴れのマダラ天気のなか
鐘ケ坂隧道 → 篠山市立歴史美術館 → 薬王山西光寺跡と重文仏
→ 旧篠山線跡村雲駅 → 再生した古民家を舞台にした雛飾り見学
→ 硅石鉱山
など、篠山に残る昭和の足跡を巡った。

昭和_鐘坂

鐘ヶ坂隧道、このなかをバスやトラックが往来していた

昭和_重文仏
昭和_西光寺 昭和_歴美

西光寺の重文仏    西光寺跡、意外に広い   歴史美術館で法服を見学


ケ坂隧道は明治のはじめに建設された煉瓦づくりでは日本最古のもので、昭和42年に新トンネルができるまで利用された。現在、平成のトンネルができたことで昭和のトンネルも役割を終えたが、明治・昭和・平成のトンネルが一つの峠にあるという珍しいところだ。
つぎの篠山市立歴史美術館は、旧篠山地方裁判所を修築したもので、木造の裁判所としては日本最古の建物だ。都市計画がもちあがったとき、取り壊そうというっことになったが、市民の反対により、建物をジャッキで持ち上げ90度回転、移動して現在の状況になったという。歴史美術館では、戦前の弁護士が実際に着用した衣装の説明を拝聴、ひきつづき館内の展示を見学した。一同の目をひいたのは「東海道・中仙道・甲州街道図屏風」、江戸時代はじめに描かれたというもので、当時の江戸から大津までの宿場町の様子、お城及び名所等がよく分かると好評だった。

薬王山西光寺は行基が開いたという古刹で、昭和三十年ころまで尼さんがいらっしゃったそうだ。尼さんの寂後、お寺は荒れるにまかせ、重文指定を受けている本尊薬師如来・四天王立像などは収蔵庫を新たに作ってそこに収蔵されることになった。畑市集落では、かつてお寺にあったように収蔵庫内に祀ろうとしたところ、文化庁は美術品であり政教分離の観点からもダメとのことだった。それなら、収蔵庫はいらないということになったが、文化庁が折れたことで現在の姿になったという。また、西光寺のは畑市集落(多いときで二十二軒とか・・・)でお守りをしていたとかで、荒れた寺を再興するにはいたらなかったという。むかしの人々の信仰心の篤さには頭が下がることである。
篠山線は福知山線篠山口から福住までを結んでいた鉄路で、丹波地方で産出される鉱石の搬出に活躍した。戦前には篠山連隊の兵士が家族との別れを惜しみながら出征していったという。篠山線は軍部主導で建設されたこともあり、住民主体の敷設ではなく、丹波鉱山が閉山に追い込まれると、国鉄路線のうち最悪の赤字路線に陥った。かくて、住民の反対はあったものの廃線が決定、いまから40年前の昭和47年2月29日さよなら列車が運行されて篠山線は歴史に幕を閉じた。いま、もし篠山線が健在であれば、篠山の観光のあり方も随分違ったものになったと思われるのだが、残念なことだ。

昭和_鉱山

多紀連山の篠山川斜面に残る高山跡

昭和_村雲昭和_雛昭和_硅石

村雲駅で説明を聞く   雛人形を見物   硅石の破片、白い部分が硅石


篠山の硅石は1913年(大正2年)ごろに発見され、1926年(大正15年・昭和元年)には畑鉱山が開かれて篠山を支える中心産業になった。戦中戦後に国内生産70%の珪石を多紀郡で生産した。採鉱された鉱物は、篠山線に山積されて播磨灘へ搬出された。
戦後は休止状態となったが、朝鮮動乱による金偏景気によってたちまち戦前戦時の活況を取り戻した。その後、珪石の需要量は減少の一途をたどり、鉱山は次々と閉鎖され、1979年(昭和54年)、丹波鉱産株式会社の閉山をもって実質的に終わった。いまも、閉山当時のままに捨て置かれた鉱山跡の設備・道具類が、朽ち果てつつあり近い将来鉱山も消えてなくなることであろう。

それぞれ、昭和の名残りをとどめた史跡群であり、当時のことをご存じの皆さん方にお話しをうかがうことができ、参加者の方々には満足いただけたものと思っている。今回めぐった篠山「追憶の昭和」、まだまだ篠山には昭和の名残りをとどめる史跡群があり、スタッフ一同つぎの企画を練ろうと考えているところだ。早ければ夏休み前には実施したいものと目論んでいる。

posted by うさくま at 16:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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