2008年12月21日

多紀アルプスに登る

篠山市の北方に聳える修験道の山、多紀アルプスに初めて登ってきた。多紀アルプスへの登山コースは、北の川坂方面から、西の栗柄方面から、東の筱見四十八滝から、南の火打岩方面からなどがある。今回の登山の目的は、中世に栄えた三岳修験道の足跡を訪ねることにあったため、小金口から登って福泉寺跡→小金ヶ嶽→大タワ→三岳・行者堂→大岳寺跡、そして火打岩へと辿るコースを歩いてきた。

小金口から登り始めてしばらく行くと谷川沿いの道となり、かつてお堂があったのではと思わせる古い石積みが現われ、登山道はそこを迂回するように谷川からそれ尾根方向へと登っていく。ガイドブックによれば谷川沿いの道をしばらく登るとあったが、他に道は見当たらないため、ためらわずその道を登っていった。ところが、これが大間違いで、三十分ほど登ったところで山道は途絶えてしまった。あらためて石積みのところまで戻り、谷川沿いに登り道を探すと、倒木の向うにそれらしき道がある…!やはり、谷川沿いに登山道があったのだ。一時間のロスタイムは冬の山登りには痛い、一本の標識さえあれば…といささか恨めしい。気を取り直して谷川沿いの道をひたすら登ること四十分、かつて修験道の道場として栄えた福泉寺跡へ到着。相当な大きさの建物があったとことを実感させる礎石群、大峰山との戦いを意識して作られたという堀切、馬駆場、さらに土塁と思しき遺構が残っている。しかし、寺跡は復興されることもなく、緩やかに野に返りつつあるようだ。

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谷川沿いの道                      福泉寺跡の礎石群

福泉寺跡から小金ヶ嶽頂上への道は、しばらく緩やかな上りが続くが、樹林の間から見える小金ヶ嶽は見上げるような高さである。果たして、整備された階段が現われた所から急坂となり、やがて階段が途切れると岩にしがみ付くようにしての登りが続く。高所恐怖症気味の身としては、へっぴり腰で岩を攀じるしかないわけだが、谷筋を隔てた三岳の雄大な山容、遥か遠くに連なる山並みなど折々に見える素晴らしい景色にしばし恐怖を忘れる。攀じ登ること二十分で頂上へ、そこから広がる展望は文字通り三百六十度、その大パノラマを楽しみながら昼食のおにぎりを頬張る。
腹ごしらえをすまし、しばしの休憩をとり、西方に聳える三岳を目指して大タワへと向かう。直角に下るかのような急坂を木や岩をつかんで下ると、そそり立った岩稜上を縫うように続く細い道を辿って行く。油断のできない岩稜を越え、緩やかな尾根道に出ると思わずホッとする。後方を振り返れば、いま攀じってきた岩稜の向こうに小金ヶ嶽がそそり立っている。その光景は異様な迫力で、修験の山に身を置いていることが実感させられる。のんびりと落葉樹の林を過ぎ、苔むした針葉樹林の中に続く道を下りきると大タワへと到着。一時間のロスタイムはあったが、小金口から大タワまで三時間四十分の行程であった。

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小金ヶ嶽方面から三岳を見る   小金ヶ嶽頂上
大タワへの岩稜の道          岩稜から遥か下方の町を見る

しばし休憩を取ったのち、疲れた身体に気合を入れて三岳頂上を目指す。
大タワから三岳への登山道は階段が整備されていて迷うことはないが、何やら神社に参拝すような気分である。たしかに小金ヶ嶽のような怖さはないものの、いつ果てるともなく山頂へと伸びる階段を、前方にどーんと見える三岳に向かって登り続けるのは単調で辛いものがあった。階段を登りきると鎖場が現われ、やっとの思いでそこを過ぎると平坦な尾根道に出る。後方を振り変えると、谷を隔てて小金ヶ嶽の厳めしい姿が見える。やがて、三岳の頂上手前にある行者堂に到着。行者堂には三岳を開いたといわれる役の行者が祀られており、なんともいえない鬼気迫る雰囲気が漂っている。まったく霊感のない相方のウサ公が「この堂は怖い」などという。おそらく、かつて三岳で行を積んだ多くの修験者たちの祈りが、いまも行者堂には充満しているのだろう。
とまれ役の行者像に参拝し、三岳頂上で小休止をとったのち、火打岩集落を目指して山をひたすら下りていく。途中、東側には谷を隔てて小金ヶ嶽がそそり立ち、西側には西ヶ嶽の雄姿が望める。三岳の登山道は小金ヶ嶽に比べると、勾配はあるもののまことに穏やかなもので、大岳寺跡を経て鳥居堂の旧跡まで、落ち葉の道を修験者になったかのように駆け下りてゆく。やがて、馬の背と呼ばれる土橋のような痩せ尾根が現われ、火打岩と丸山との分岐点へと到着。この時点で、冬の太陽は西方の山際に沈もうとしている。冬の日暮れは早い、さらに足を早めて火打岩へとひたすら下りていく。火打岩の登山口に着いたころには、すでに夕闇が包みはじめていた。大タワを出発してから二時間十分、小金口から火打岩まで一時間のロスタイムを含めて全行程五時間五十分の山歩きであった。 振り返ってみると、小金ヶ嶽は厳しい山で、三岳は優しい山であったような・・・。 

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小金ヶ嶽を遠望              三岳の行者堂

ところで、三岳修験の行は表と裏の二道に分かれており、表は金剛界廻りといってまず筱見四十八滝から峰々を経て三岳頂上の行者堂へ。裏は胎蔵界廻りといい、三岳頂上から西に向かい、西ヶ嶽を通って里の養福寺に入って滝の宮で水行をして終わるとある。今回、小金口から火打岩を経めぐったわけだが、次は火打ち岩から三岳を経て栗柄へのコースを目論んでいる。さらに、筱見四十八滝から大タワへのコースをたどることで、変則的ではあるが金剛界廻りと胎蔵界廻りを成し遂げたいと思い描いている。  by kuma
posted by うさくま at 21:29| Comment(1) | TrackBack(0) | 山歩き
この記事へのコメント

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Posted by 腰痛アドバイザー at 2010年06月20日 20:39
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