かねて予定していた戦国仲間のFさんとの
打ち合わせで阪神尼崎駅に出っ張った。
十一時に落ち合って、まずは最近建設された
尼崎城に入ってみた。某社の大口の寄付をベースに
建設された天守だけに歴史的価値はないかも知れない
しかし、実際に建造物を見ると、城は石垣、白壁
そして天主が揃っていると心が躍った。
山城も悪くないけれど、原寸サイズのレプリカながら
ミーハー気分をおおいにくすぐってくれる。
入城した尼崎城、エレベータで最上階まで。
未だ木の香のする最上階からの眺望は抜群であった。
以下、フロアごとに着付け体験、バーチャル体験
尼崎城の歴史、ムービー放映などなど
子ども騙しのアミューズメントと思いつつおもしろかった。
意外にも楽しめた尼崎城を下城したあとは寺町散策。
大物崩れで三好勢に敗れた細川高国が自刃した広徳寺、
高国に関わる遺跡か遺物があるかと思ったが何もなかった。
隣の甘露寺は本堂の屋根に鳳凰が見え、軒丸瓦にも
鳳凰が決まれていることから「何宗?」と思ってみると
浄土宗寺院であった。しかも、梅鉢紋も瓦にあるではないか?
それぞれの由来を聞きたかったが人影はなかった。
その隣の法園寺は佐々成政が秀吉に自刃を強いられた寺。
門を入った境内の左を見ると大きな成政の五輪塔!
五輪塔の左手を見ると檀家のものであろう石標が羅列され
それぞれに家紋も彫られている。新しいアプローチであった。
小路を隔てた大覚寺は「抱きの葉に菊」紋が
石灯籠、軒丸瓦、香炉など境内のあちこちに打たれていた。
聖徳太子の開基になるという尼崎最古の古刹であった。
なるほど、寺紋に菊が用いられていもうなづけた。
大覚寺の西隣は長遠寺さん。境内には多宝塔があり、
妙見さんが祀られている。一瞬、宗旨は何?と思ったが
日蓮上人の像があり、香炉には「井筒に橘」紋が・・・。
ずばり日蓮宗のお寺であった。へ〜っと思ってさらに調べると
多宝塔は市内随一のもので、国の重要文化財であった。
長遠寺墓地 濱名氏が多く「橘」紋であった。志方家の墓地 不思議な紋。
ここまで歩いて、トイレ休憩を兼ねて尼信会館に入館。
ここは、尼崎城にかかる展示があり、甲冑、刀剣、
城主に係る家紋、尼崎城のジオラマ、絵地図がおもしろかった。
尼信会館を出たのちどこかで昼ごはんをということになって
尼崎駅方面に移動、その途中で軒丸瓦に「雁」を彫った本興寺。
本能寺と同じ本門流法華宗の寺院であり、納得の寺紋であった。
残念ながら現在工事中で、境内にお邪魔することはできなかった。
そのとなりの全昌寺。軒丸に彫られた紋は「七つ星」。
寺町で唯一の曹洞宗寺院で、戸田氏の菩提寺であったという。
寺紋は戸田氏の「九曜」紋の変形であろうか?と思ったが
その由来を確認することはできなかった。このお寺では、
境内墓地をジックリ散策、おもしろい家紋採取ができた。
尼崎城と寺町を歴史散策したところで、遅い昼ごはん。
朝、駅で降りた時、高架下の居酒屋がすでに開いていた。
観光案内所でもらったマップを見ると、尼崎界隈では
朝十時から居酒屋はオープンしているのだった。ということで、
居酒屋さんに入ってビールを飲み、ツマミを昼食にして
二月から予定される講座の打ち合わせをすました。
ちょっとほろ酔い気分になったところで解散。
二日ぶりに丹波方面へと帰っていったのだった。