2019年09月08日

東播磨の加西・加東市の墓地で家紋探索。

先日、加東から加西あたりを歴史ウォークしたとき、
心にひかかる名字、家紋があり、今日、改めて
加西から加東あたりの墓地を訪ね歩いた。

まずは、加西市の鶉野飛行場跡近くで見つけた「菖蒲」紋。
清慶寺という浄土宗のお寺がある中野のあたりに三宅名字が集中、
墓地を訪ねてみると「菖蒲」紋で統一されていた。菖蒲は
杜若、あやめ とそっくりで、家紋の世界では「杜若」紋が知られる。
三宅さんの家紋も「菖蒲」ではなく「杜若」が正しい呼称かと思われ
そこらへんも出来れば調査、由来を知られればと思った。

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改めて、先日たずねた墓地で三宅さんの墓地をチェック、周辺に散在する墓地にも三宅さんの墓石を探してみると51基の三宅家の墓石があり49基が「菖蒲」紋であった。三宅家の菖蒲紋ははじめて見る紋形であり、まず、加西市の三宅さんの専用紋と思われた。そして、仔細に見ると、外郭は折敷と輪に二分され菖蒲の図柄も「花」「葉っぱ」などに微妙な違いがあり、なかなか興味深いものであった。

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外郭は折敷、葉っぱに筋あり、筋なし
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外郭は輪、葉っぱは筋なし、筋ありの一体化
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一つ一つ、違いがハッキリしていて、まだデータ化されていないようだ

墓地の近くに三宅酒造という江戸時代以来の造り酒屋があり、そこの御当主ならば家紋の由来をご存知であろうと訪ねたが定休日で閉まっていた。結局、家紋の原型は菖蒲なのか杜若なのかは知れず、由来も分らなかった。いつか再訪するしかあるまい。

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つぎは中村家の墓所と家紋。
先日、お話を聞いた清慶寺さんの住職さんいわく、中村家は清慶寺に祀られる後南朝皇子の首塚に関わる家らしく、近在には中村家が多いとのことだった。先日、「剣酢漿草」紋を用いる中村家の墓石に出会ったが、どこかに株墓地があるのでは?と思われた。

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三宅さんの墓地を訪ね、清慶寺の宝篋印塔の塔身に彫られた石仏を拝見させていただいたのち、次の墓地へと移動した。すぐに見つけた墓地を訪ねてみるとドンピシャ!中村家の株墓地であった。20基ほどの墓石を見ると全て「剣酢漿草」紋で、外郭が折敷と輪に分かれていた。さらに、同墓地の半分を占めるお墓を見ると藤原名字で、家紋はこちらも「剣酢漿草」紋であった。中村名字と藤原名字、それぞれ同じ「剣酢漿草」で統一されている背景には何があるのだろう?また、後南朝に関わったという中村家であれば『見聞諸家紋』に見える「亀甲に菊」紋では?と思っていたのだがそういう簡単な結末ではなかった。

次は播磨内藤家の墓石探し。
播磨の内藤氏といえば馬渡谷城を本拠として満久城を構え、それなりの勢力があった中世武家であった。その出自は分らないが、以前、播磨内藤氏にかかる本の一節に「リュウゴ」紋の記述を見た。「リュウゴ」紋といえば、丹波内藤氏も使用する紋であり同族か?と思われ、播磨内藤氏の家紋は心に引っかかっていた。

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馬渡谷方面に北上する途中の山際に発見した墓地に寄ってみると、内藤家、伊藤家、高見家などの墓石があり、内藤家は「抱きオモダカ」「橘」、伊藤家は「横木瓜」、超多数派の高見家は「九枚笹」「違い鷹羽」であった。チョッと肩透かしを食った気分で墓地を歩いてみると、内藤家の株墓地を発見、家紋はと見ると「下り藤」で統一されていた。期待した「リュウゴ」はなかったが、内藤氏の一方の代表紋である「下り藤」であることは「なるほど」であった。家紋から推して、播磨内藤氏は丹波内藤氏の分れではないと思われたのが、どうだろうか?

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内藤藤と通常の下り藤が混在していた

中村氏、内藤氏を確認したあと、馬渡谷集落の墓地を訪ね(北川・遠藤・中植などの名字があった)、次の墓地への途中にある志方姓が集中した国正墓地を再訪。墓地は遮るものもなく、とにかく暑い!もう汗だらけである。下手をすれば熱中症で墓地に斃れる可能性も否定できない、残夏の墓めぐり、酔狂なことではある。

さて、改めて志方家の家紋をチェックしてみると、「剣カタバミ」が8基、「剣花菱」が9基、「橘」が2基であった。播磨志方名字の代表紋を見極めたかったのだが、「カタバミ」か「花菱」ともに「これは!」という独自な意匠ではなく、いずれとも決めがたいものであった。さらに、志方名字の家紋を探し、データを積み上げていくしかない。

加西の地を駆け巡ったあと、先日、光明寺界隈で見つけた「阿江」「芹生」名字にかかる家紋探索。
戦国時代、光明寺の境内には滝野城という山城が構えられ、城主は「阿閉佐兵衛佐重氏」であったという。そして、阿江名字は「阿閉(阿閇が正字)」から変化したものだと聞いた。
芹生名字も、阿江名字も珍しいものであり、調べてみると芹生苗字は加東市に集中、阿江苗字は加東市、西脇市に集中していることを知った。それゆえに、それぞれどのような家紋が用いられているのか、おおいに気になっていたのだった。

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まず下滝野の墓地にお邪魔してみると、すぐに阿江名字を発見、家紋は「三つ巴」「蔦」を多数派として、「違い鷹羽」「橘」「横木瓜」「五三桐」などが用いられていた。光明寺の「阿閉佐兵衛佐重氏」の墓所には「三つ巴」紋が彫られていたことを思えば「三つ巴」が正統かと思えたのだが、いずれが正統の紋なのか?、一ヶ所の墓地情報だけでは決めかねた。

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ついで、上滝野の墓地にお邪魔すると、芹生名字の墓石が並んでいた。家紋は「抱き澤瀉」を多数派に、「蔦」「二つ引」「三つ巴」「違い鷹羽」「三つ柏」「カタバミ」などの家紋が用いられていた。こちらもいずれが代表紋なのかは分りかねた。また、同墓地には阿江名字の墓石もあり、「違い鷹羽」「蔦」「四方木瓜」「花菱 」「九枚笹」などバラバラであった。

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阿江、芹生ともに加東市に集中する名字であり、由緒もあるのではと思われた。それゆえに、家紋はそれぞれの名字を象徴(いわゆる出自を語る)代表的なものがあるのでは?と勝手に思い込んで、家紋探索に汗を流した。しかし、その思い込みは空振りに終わった。

今日の東播磨の家紋調査、加西市の三宅さん、中村さん、内藤さんらの家紋が見事に統一されていることに対して、加東市の阿江さん、芹生さんらの家紋はバラバラであった。その背景を探り出すことは簡単なことではないが、何か、モヤッとした答えがあるように思われるのだった。
課題ばかりが増えるが、サンプルをより多く集めるしかないということか。「日暮れて道遠し」を実感することである。


菖蒲か? 杜若か?
家紋仲間に三宅家の画像を見てもらったところ、京都や関東などで三宅家の家紋としてみたという情報をもらった。むかし、研究会による京都墓地紋探索会のおりにも三宅家の墓石に同紋を採取、「杜若」紋として分類した。その会に発信者も参加しており、三宅家の「杜若」紋を見たはず、まったく忘れ去っていたことだった。三宅家の家紋は、家紋研究会の共通理解としては「杜若」紋で落ち着いた。ということは、京都や関東で「杜若」紋を用いられる三宅さんのルーツは、東播磨の加西市中野ということになるが、果たして?また、加西の三宅家では自家の紋を何と呼ばれているのかも調べて、心からスッキリしたいものだ。

posted by うさくま at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 家紋
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