2019年06月24日

丹波国衆、上原氏の家紋を訪ねて天田郡へ

今日は年休。
来月に予定されている講座を踏まえて、天田郡に出かけていった。
かねてより、明智光秀の丹波攻めに対した八上城主波多野秀治、
黒井城主荻野直正に属して抵抗した丹波国衆たちの歴史を
家紋を主体にズーッと取材、調査を続けてきた。

丹波武士の家紋に係る史料としては『見聞諸家紋』『丹波志』が
あげられるが、とくに諸家紋には丹波武士の家紋が図入で収録されている。
それらをベースに国衆たちが拠った山城を訪ね、城址近くの墓地を訪ね
家紋を採取、史料と照らし合わせる作業を続けたことだった。
その合間に図書館を訪ねて、その地域ならではの資料を収集
国衆の家紋、歴史がなんとなく腑に落ちてきたのだった。

丹波武士のなかで久下氏、金山氏、中澤氏などは諸家紋に通じる家紋がいまも用いられるが、片山氏、足立氏、荻野氏、酒井氏などは割拠していた故地にまとまって名字が残っているのを手がかりに家紋、歴史を探った。とはいえ、横山氏、塩見氏、志賀氏など未だに読み解けない武家もある。

そのようななかで、丹波の戦国史に大きな足跡を刻んだ天田郡物部城主上原氏の歴史と家紋の探索は特に苦労したことだった。
上原氏は応仁の乱ののち丹波守護代に任じ、主家細川政元の威光を笠に着て国人一揆を誘発、結局、没落の運命となった。しかし、丹波の国衆としては命脈を保ち、織田信長から領地安堵も受けたが、荻野直正の天田郡侵攻によって滅亡した。しかし、一族という家々が天田郡の一角に残っていることを知り、やっと訪ねあてたのだった。

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由良川の南側に上原姓の多い集落があり、そこの墓地にお邪魔すると上原家の墓地が林立、逸る心で家紋は?と見ると「横木瓜」紋。
見聞諸家紋に収録されている「鶴丸」「抱き柊」紋では?、いや信濃の諏訪神氏の一族という伝承からすれば「梶の葉」紋であろうか?と思い描いていたのだが、意外な家紋との出会いだった。
さらに上原氏が居城を構えていた物部近くの墓地でも上原家の墓石を発見「家紋は?」と見ると、一様に「横木瓜」紋が刻まれていたのだった。

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『見聞諸家紋』の上原氏の幕紋 / 左側の紋は「柊の葉」と解されるが、実を見る限り「梶の葉」と解すべきだろう。

なにやら拍子抜けした気分ではあったが、武家として没落、帰農して近世を生きてきた歴史を思えば、本来の家紋を隠して新たな家紋を用いるようになったものであろうか?
その由来は分かるすべもなかったが『見聞諸家紋』に収録されている上原氏の紋は、現代には伝来していなかった。これも、家紋の歴史の一コマということだろう。

ともあれ、中世丹波国衆の後裔であろう上原家の家紋を採取できたことで、とりあえず一連の国衆の家紋取材はここまでとすることにした。さて、あとは講座においてどのように家紋を取り上げるか、それが悩ましいところだ。

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上原氏の家紋を探り通、墓地の家紋をウォッチすると、丹波に多い人見姓は定番の「違い矢」、綾部に多い四方姓も定番の「四つ目結」、他に物部近くの墓地で採取した高橋家の家紋、ズバリ「竹笹に笠」。さらに大槻家の「雁金」、村上家の「丸に上文字」など「なるほど!」といえる家紋が多かった。ちなみに塩見家の墓石もあり見ると「四つ目結」が刻まれていた。

かくして、家紋探索をすましたのちの帰路、三和町上川合に残る経ヶ端城跡に拠ってみた。樋口氏が拠ったという小さな山城で、むか〜し、ブラッと立ち寄ったこともあるところだ。主郭を主体に前方に三段の曲輪、後方に二段の曲輪を構え、尾根筋を堀切で遮断したコンパクトな造りのものだ。

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経ヶ端城跡を遠望
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主郭切岸と帯曲輪、向うに街道筋が見える

全体に藪化が進んでいるが、主郭はきれいに整備されアズマヤも設けられている。ポイントには説明カンバンが設けられ地元において山城として認識され整備作業定期的に行われていることが伝わり好もしかった。このように、山城が地域の歴史資産として大事にされているのは、戦国ファンの一人としてありがたいことだ。


posted by うさくま at 10:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史探索
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