2016年02月14日

大中臣那珂氏流桐村氏の家紋を探索する

予定されていた宍粟城研の「楯岩城オフ」が雨天中止となった。
ポッカリと空いてしまった日曜日、以前より調査を続けていた
丹波天田郡の中世国衆・桐村氏の家紋探索に出かけた。

桐村氏が勢力を有した天田郡北西部は、かつて佐々木荘と呼ばれ
桐村氏の本家にあたる金山氏が所領とし、金山氏が開基した古刹・天寧寺、
金山氏、桐村氏の山城群が存在、これまでも折につけて訪ね歩いてきた。
とりわけ金山氏、桐村氏の家紋探索に注力してきたが
滅亡した金山氏はともかくとして桐村氏の家紋を発見するには至らなかった。

昨年の暮れ、ブログコメントに桐村氏の墓所に関する情報をいただき、「今日こそは!」と心に期して、国衆・桐村氏の後裔が存続している瘤木集落を目指した。瘤木集落は天寧寺より山を越えた東にあり、桐村氏が拠った桐村城跡からも徒歩圏内のところに位置する山間の小集落だ。

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雨がそぼ降るなか、入手した情報を頼りに桐村家の墓地を探そうとしたところで集落の住人の方を発見。お話をうかがうと、桐村家のお墓を含む集落の惣墓地が山の中腹にあると教えてくださった。加えて、後裔・桐村さんのお家を教えていただき話を聞くとよいとのこと。で、桐村家を訪ねたが間の悪いことに昼食どき、出てきてくださったお婆さんに桐村家の墓石がある村墓地への行き方を教えていただき、桐村家の歴史譚を聞くのは遠慮したことだった。

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ぬかるんだ山道を滑りそうになりながらよじ登り、たどり着いた村墓地に桐村家の墓所を発見。逸る心で、刻まれた家紋を見ると「一文字に並び巴」、『見聞諸家紋』に収録された金山氏の幕紋と同紋であった。墓石は新しく建て替えられているが、新墓の傍らに古い五輪塔、宝篋印塔などの残欠が集積されて祀られ、桐村家の歴史の古さが実感された。

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思い描いていた桐村家に伝来している京都府指定文化財である系図、往時の幡印は、流石に拝見することはできなかったが、ズッと気にかかっていた桐村家の家紋と出会えだことは大収穫だった。

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kirimura_hata.pngこの目で直に見た桐村家の家紋は、新墓の三つ巴と古い墓の三つ巴の回転方向が逆になっている。しかも、並び巴の上に付された一文字は、古墓では一つ引となっている。桐村家に伝来するという幡の紋は「一文字に並び左巴」で、『見聞諸家紋』に収録されている金山氏の幕紋は「一つ引に並び左巴」となっている。
順当に見れば新墓の左巴が古式を守ったものといえるが、どちらが正しいのかと詮索するのは野暮なことであり、巴紋の回転方向は意外とアバウトなのだな〜ということだろう。家紋を語るうえで巴紋の回転方向は「あ〜だ、こうだ」と議論されるところだが、実際の使用家においては、われわれが思うほど、家紋の意匠に対してシビアではなかったんだな〜、ということも実感したことだった。




【Facebook 談義】

高澤 等
巴の回転方向って、使用されてる現場を見ると真面目に考えてもしょうーがないかも、と思っちゃいますよね。机上の学問なら別なのかも知れませんが。

黒住 芳治  
左と右で本家、分家などを区別するようなことはあったのでしょうか?
家紋 World
それもあったといえるほど確信はありませんが、本で読んだり、耳で聞いたりした家紋の知識って、古い墓などを見ると、そんなことない、自由だったんだ〜と実感します。それだけに古い墓地が整理されて新しい墓が造成される、またナンチャラ霊園といったものが増えるのは、そのような歴史の語り部が失われていくことにつながり残念だな〜と思います。その一方で、お墓分譲が売れ残る状況も生じています。家紋のこれから、先祖の祀り方の変化と相俟って、どのように変化していくのでしょうかね〜 ( ´ ▽ ` )
高澤 等
それは無いとは言えないですね。
同じ名字でも地区によって違うこともありますし。
でも同じ家とおぼしき区画内の墓石でさえ違っている事もあるので、やっぱりテキトーなのかな、と思う事もあります。

黒住 芳治
『見聞諸家紋』34帳に有りました。桐村氏と金山氏の関係あるのでしょうか?
家紋 World
桐村氏と金山氏は、本家・分家の関係で、金山氏が幕府奉公衆で在京する一方で、桐村氏が在地支配に任じていました。結果、金山氏は幕府の衰退とともに勢力を失い、桐村氏は国人領主として天田郡に勢力を保ったのです。桐村家に伝来する系図、文書などは文化財指定を受けた貴重なものです。拝見できればと思っていたのですが、そう簡単にはいきませんでした (^^;;
posted by うさくま at 13:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 家紋
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